B型事業所の工賃はなぜ低い?時給243円の理由と収入を増やす方法を徹底解説

就労継続支援

B型事業所の工賃について、利用を考えている人にとっては「どのくらいの収入になるのか?」が気になるところです。

全国平均では月額1万7,000円、時給にすると約243円という数字ですが、実際には施設によってかなり差があります。

高額な工賃が支払われる事業所もあれば、月5,000円以下のところもあります。

この記事では、B型事業所の工賃の仕組みや、金額が決まる要因、高い工賃をもらうための方法を詳しく解説します。

施設選びのポイントや工賃を上げるコツも紹介するので、ぜひ参考にして下さい。

  1. B型事業所の平均工賃とは?
    1. 全国平均と都道府県別の工賃ランキング
    2. 工賃の算出方法と実際の支給額
    3. 工賃の計算例
    4. 工賃が低い理由
  2. B型事業所の工賃が低い理由
    1. 給付金を工賃に回せないルール
    2. 例えばこんなケース
    3. 仕事内容が単価の低い作業になりがち
    4. B型事業所の作業はなぜ単価が低いのか?
    5. 工賃を上げるにはどうすればいい?
  3. 工賃が高いB型事業所の特徴
    1. 高額工賃を実現している施設の共通点
    2. クリーニング業務や農業系の工賃が高め
    3. 工賃が高い事業所の具体例
    4. 工賃の高いB型事業所を探す方法
  4. 工賃がもらえる仕組みと支給日
    1. 施設ごとの支払いスケジュール
    2. 工賃が支払われないケースとは?
    3. 工賃が減るのを防ぐための対策
  5. 手取り金額はどのくらい?税金はかかるのか?
    1. B型事業所の工賃はほぼ非課税
    2. 年額103万円を超えた場合の注意点
    3. 住民税が発生する基準
  6. 工賃を上げるための工夫
    1. 作業時間を増やすことで工賃アップ
    2. 高単価の作業を行う施設を選ぶ
    3. 工賃アップのためにできること
  7. B型事業所の工賃に関するよくある誤解
    1. 「工賃が高い=良い施設」とは限らない
    2. 工賃の低い施設は悪質なのか?
  8. B型事業所を選ぶ際のチェックポイント
    1. 見学時に確認すべきポイント
    2. 高い工賃を求めるなら施設外就労ができるか確認
  9. まとめ
    1. 工賃を重視するなら
    2. 施設選びで重要なポイント

B型事業所の平均工賃とは?

B型事業所を利用すると、「工賃」という形でお金を受け取ることができます。ただし、この金額は最低賃金が適用されるわけではなく、事業所ごとに大きく異なります。全国平均や都道府県ごとの差を知ることで、自分が利用する施設の工賃水準を把握することができます。


全国平均と都道府県別の工賃ランキング

全国のB型事業所の平均工賃は月額17,031円、時給換算で243円です。全国的に見ても高いとは言えず、工賃だけで生活するのは難しい金額です。ただし、地域によって大きな差があり、都道府県別の工賃ランキングを見ると、以下のようになっています。

順位 都道府県 平均工賃(月額)
1位 徳島県 22,361円
2位 福井県 22,211円
3位 高知県 20,969円
4位 宮崎県 20,459円
5位 鳥取県 20,378円
43位 岡山県 15,264円
44位 埼玉県 15,024円
45位 兵庫県 14,914円
46位 山形県 14,037円
47位 大阪府 13,681円

最も工賃が高いのは徳島県の22,361円で、最も低いのは大阪府の13,681円です。同じB型事業所でも地域によって差があることがわかります。

また、東京や大阪といった大都市は、物価が高いにも関わらず、工賃が低めの傾向があります。一方で、四国や九州の一部では比較的高い工賃を支払っている事業所が多いです。


工賃の算出方法と実際の支給額

B型事業所の工賃は、基本的に以下の式で計算されます

「生産活動の利益 − 必要経費 = 利用者の工賃」

一般の企業では「給料」という形で一定額が支払われますが、B型事業所では「仕事の成果に応じて工賃が支払われる」仕組みです。そのため、施設の収益が少ないと、利用者が受け取る工賃も少なくなります。

工賃の計算例

例えば、あるB型事業所での月間収益が50万円だった場合、必要経費(家賃・光熱費・職員の給与など)が40万円かかるとすると、残りの10万円が利用者に分配されます。

  • 利用者数が20人
  • 各自の勤務日数が15日
  • 作業時間が平均4時間

このような条件で計算すると、1人あたりの工賃は約5,000円~15,000円程度になることが一般的です。

また、通所日数や作業時間が長い人ほど工賃は高くなりやすいですが、事業所の収益が少ないと、通所回数が多くても工賃が増えないケースもあります。


工賃が低い理由

B型事業所の工賃が低い主な理由として、以下のポイントが挙げられます

1️⃣ 国や自治体の給付金を工賃に充てられない
B型事業所は、行政からの給付金で運営されています。しかし、このお金は職員の給料や施設の維持費に使われるものであり、利用者の工賃には充てられません。

2️⃣ 作業内容が単価の低い仕事になりがち
B型事業所で行う作業は、封入・検品・シール貼りなど単価の安い仕事が中心です。そのため、事業所が利益を出しにくく、結果的に工賃が低くなります。

3️⃣ 最低賃金の適用がない
一般の仕事では最低賃金が保証されていますが、B型事業所は雇用契約を結ばないため、時給200円前後という低い金額でも問題ありません。そのため、他の仕事と比べて収入が少なくなります。


B型事業所の平均工賃は全国で月額17,031円・時給243円ですが、地域や事業所ごとに大きく異なります。工賃が決まる仕組みを理解し、自分に合った施設を選ぶことが大切です。工賃を増やすためには、通所回数を増やす・高単価の仕事を行う事業所を選ぶ・施設外就労のあるところを探すなどの工夫が必要になります。

「自分の工賃を増やしたい!」と思う方は、作業内容や事業所の運営方針をよく確認して、より良い環境を選びましょう✨

B型事業所の工賃が低い理由

B型事業所を利用する際、多くの人が「工賃が安すぎる」と感じるでしょう。全国平均で月額17,031円、時給換算で243円という水準は、生活費を賄うには厳しい金額です。しかし、この低さには明確な理由があります。B型事業所の工賃がなぜ低くなってしまうのか、詳しく解説します。


給付金を工賃に回せないルール

B型事業所は、国や自治体から給付金(訓練等給付費)を受け取って運営されています。しかし、このお金を工賃として利用者に直接支払うことはできません。そのため、利用者の収入が増える仕組みにはなっていないのです。

では、給付金は何に使われているのか?主に施設の運営費に充てられます

  • 職員の給与や社会保険料(事業所運営の大部分を占める)
  • 施設の家賃や維持費(建物や設備の維持管理)
  • 水道光熱費や消耗品費(電気代や作業で使う道具など)
  • 利用者の送迎費用(車両の維持費やガソリン代)

つまり、給付金は「利用者のための環境整備」に使われるものであり、工賃を上げるためには直接関係がないのです。

例えばこんなケース

A型事業所では、給付金の一部を「職員の人件費」ではなく「利用者の給与」に充てることができます。そのため、最低賃金が保証されるのです。しかし、B型事業所ではそれができないため、どれだけ給付金が多くても、利用者の工賃は増えません。


仕事内容が単価の低い作業になりがち

B型事業所の仕事の多くは、封入作業・検品・シール貼り・チラシ折り・内職系など、単価が安い軽作業が中心です。こうした作業は1個あたりの報酬が数円~数十円と低く、利用者が多い施設ではさらに分配額が減ります。

例えば、1時間に100個のシール貼りができたとして、単価が1個5円なら1時間で500円の売上です。これを5人で分けると、1人あたり100円しかもらえません。

さらに、事業所側も企業から仕事を請け負う際に中間マージンを取られるため、利益はさらに削られます。結果的に、工賃として利用者に支払える額はごくわずかになってしまうのです。


B型事業所の作業はなぜ単価が低いのか?

1️⃣ 障害のある人でもできる作業が中心
B型事業所は「一般企業での就労が難しい人」が利用するため、負担が少ない作業が求められます。単価の高い作業は複雑でスピードも求められるため、B型事業所での取り扱いが難しいのです。

2️⃣ 大量発注される仕事が多い
B型事業所の仕事は企業からの依頼が中心です。企業はコスト削減のため、単価の安い仕事を大量に発注します。すると、作業自体の単価が下がり、結果として工賃が低くなってしまいます。

3️⃣ 職員がフォローするためのコストもかかる
作業をスムーズに進めるためには、職員のサポートが不可欠です。作業の説明、手順の確認、体調のフォローなど、一般の職場以上に手間がかかるため、その分の人件費が上乗せされ、工賃には回らなくなります。


工賃を上げるにはどうすればいい?

工賃を少しでも増やしたい場合、以下の方法を試すのもアリです

工賃が高い事業所を選ぶ
B型事業所ごとに、工賃の金額には差があります。例えば、クリーニング・飲食・農業・IT関連の作業をしている施設は比較的工賃が高い傾向があります。

施設外就労を行っている事業所を探す
施設外就労(一般企業での軽作業や清掃業務など)を行っている事業所は、通常のB型事業所よりも工賃が高めです。外部の企業から直接仕事を受けるため、施設内作業よりも報酬が良いケースが多いです。

作業時間や回数を増やす
通所日数を増やすことで、もらえる工賃も増える可能性があります。特に、施設によっては「たくさん通う人ほど工賃が高くなる」仕組みを採用していることもあります。

スキルを身につけて高単価の作業に参加
IT系やWebデザインなど、専門スキルを活かせる事業所もあります。スキルがあれば、データ入力・動画編集・プログラミングなどの仕事に参加でき、工賃がアップする可能性があります。


B型事業所の工賃が低い理由は、給付金を直接工賃に使えないこと、作業の単価が低いことが主な要因です。しかし、事業所の選び方や作業の種類によって、工賃を増やせる可能性もあります。自分に合った環境を見つけることで、少しでも安定した収入を得ることができるでしょう✨

工賃が高いB型事業所の特徴

B型事業所の工賃は全国平均で月額17,031円、時給換算で243円ですが、中には月5万円以上の工賃を支給する事業所も存在します。では、どんなB型事業所が工賃を高く設定できるのか?高額工賃を実現している施設の共通点を解説します。


高額工賃を実現している施設の共通点

B型事業所の工賃は「作業の利益 – 経費」で決まるため、利益率の高い業務を行う施設ほど工賃が高くなります。高額工賃を実現している事業所には、以下のような共通点があります

1️⃣ 生産性の高い業務を請け負っている
 → Web制作・広告運用・プログラミング・動画編集・DTPデザインなど
 これらの業務は「単価が高い+専門スキルが必要」なため、B型事業所でも比較的高額な工賃が支払われています。

2️⃣ 企業との直接取引をしている
 → 施設が企業と直接契約を結び、業務委託を受けるケース
 中間マージンを取られず、利益率が高いため、利用者に還元できる工賃も増えます。

3️⃣ 施設外就労が多い
 → 企業に出向いて働く機会が多い事業所
 一般企業の環境で働くため、工賃が高めに設定される傾向があります。

4️⃣ 高単価の商品を販売している
 → オリジナルブランドの商品開発・販売をしている施設
 飲食業(カフェやパン屋)、ハンドメイド雑貨、アート作品の制作・販売を行うB型事業所は、売上が高いため工賃も上げやすいです。


クリーニング業務や農業系の工賃が高め

B型事業所の中でも、特にクリーニング業務や農業・園芸関連の仕事を請け負う施設は、比較的高めの工賃を支払っている傾向があります。

なぜクリーニング業務の工賃が高いのか?

  • クリーニング業は単価が比較的高い(1枚数百円~の取引)
  • 企業や団体との継続契約があるため安定した収益が見込める
  • 設備投資が必要なため、他のB型事業所との差別化ができる

なぜ農業・園芸関連の工賃が高いのか?

  • 自社農場での生産・販売を行っている施設が多い
  • 加工・販売まで自社で行うことで利益率が高まる
  • 企業との契約栽培(スーパー・レストラン向け)などで安定収益がある

農業系B型事業所は、スーパーや飲食店向けに契約栽培を行っているケースもあり、市場価格に左右されにくいのも特徴です。


工賃が高い事業所の具体例

IT・Web系事業所

  • 工賃例:平均月額40,000円~50,000円
  • 仕事内容:Web制作、広告運用、システム開発、プログラミング
  • 特徴:オンライン業務が多く、企業と直接契約を結ぶことが可能

飲食・カフェ運営系事業所

  • 工賃例:平均月額30,000円~50,000円
  • 仕事内容:カフェ、パン屋、レストランの運営
  • 特徴:自社販売が可能で利益率が高い

クリーニング業務系事業所

  • 工賃例:平均月額35,000円~60,000円
  • 仕事内容:ホテルや企業のリネンサプライ、衣類クリーニング
  • 特徴:単価が高く、安定した契約が取りやすい

農業・園芸系事業所

  • 工賃例:平均月額25,000円~45,000円
  • 仕事内容:野菜・果物の栽培、販売、農産加工
  • 特徴:企業との契約栽培や、直販ルートがある

工賃の高いB型事業所を探す方法

事業所のHPやSNSをチェック
高工賃のB型事業所は、自社ブランドの商品やサービスを展開しているケースが多いです。公式サイトやSNSでどんな仕事をしているか確認してみましょう。

見学・体験利用を活用
実際に施設を見学して、作業内容や雰囲気を確認するのもおすすめです。工賃が高い施設は、働き方に工夫がある場合が多いので、スタッフに具体的な業務内容を聞いてみましょう。

施設外就労があるかチェック
施設外就労を積極的に行っている事業所は、一般企業に近い業務を請け負っているため、工賃が高めに設定されやすいです。


工賃が高いB型事業所には、利益率の高い業務を請け負っている、企業と直接契約している、施設外就労を行っているなどの共通点があります。特に、クリーニング・農業・IT・飲食業などの分野で工賃が高い施設が多く見られます。

工賃の高い事業所を探したい場合は、事業所の仕事内容・収益モデル・施設外就労の有無をチェックすると良いでしょう✨

工賃がもらえる仕組みと支給日

B型事業所では、利用者が行った作業の対価として**「工賃」**が支払われます。ただし、工賃の計算方法や支払いスケジュールは施設ごとに異なるため、事前にしっかり確認しておくことが大切です。


施設ごとの支払いスケジュール

B型事業所では、多くの場合月ごとに工賃が支払われる仕組みになっています。ただし、施設によっては2か月に1回まとめて支払うケースや、週払いを採用している事業所もあるため、利用前にしっかり確認しましょう。

支払いのタイミングの例

月払い(一般的なケース)

  • 毎月○日(例:25日)に前月分の工賃を支給
  • 月末締めで翌月支払い

2か月に1回払い(少数の事業所)

  • 2か月分をまとめて支給
  • 事務手続きの関係で遅れることがある

週払い(一部の事業所)

  • 作業をした週ごとに支払い
  • すぐにお金が手元に入るメリットあり

確認すべきポイント
工賃の計算方法(時給制か出来高制か)
支払日はいつか?(月末?翌月?)
遅れが出ることはあるのか?(過去の実績をチェック)

施設によっては、工賃が銀行振込ではなく手渡しの場合もあるので、支払い方法も事前に確認しておくと安心です。


工賃が支払われないケースとは?

B型事業所では原則として工賃が支払われますが、場合によっては**「工賃がほとんどもらえない」もしくは「まったく支払われない」**こともあります。

通所日数が極端に少ない

  • 1か月の利用日数が数日しかないと、支払い対象外になることもある
  • 工賃の計算が「日割り」や「出来高制」の場合は、出勤が少ないと大幅に減る

体調不良で長期間休んでしまった

  • 欠勤が続いた場合、工賃がゼロになる可能性がある
  • 施設によっては「最低利用日数」を設けていることも

作業時間が極端に短い

  • 1日あたりの作業時間が1時間未満など、一定の基準を満たさない場合
  • 出来高制の施設では、作業量が少ないと支給額も激減する

個別契約による例外

  • 施設ごとにルールがあり、「○日以上通所しないと工賃なし」などの規定がある
  • 工賃規定があるかどうか、契約時に必ず確認することが重要

工賃が減るのを防ぐための対策

事前に施設の工賃ルールを確認する
→ 工賃が出る条件(最低通所日数・作業時間など)を把握しておく

無理のない範囲で安定した通所を心がける
→ 体調管理をしつつ、できるだけ継続して通うことが工賃アップにつながる

出来高制の施設では作業量を増やせる工夫をする
→ スキルアップや作業効率の向上を意識すると、工賃も増えやすい


B型事業所の工賃は、多くの場合月払いで支給されますが、支払い方法や計算基準は施設によって異なります。特に「通所日数が極端に少ない」「作業時間が短い」などのケースでは、工賃が減る・もらえないこともあるので注意が必要です。利用前にしっかりとルールを確認し、安定して工賃を得られるように準備しましょう✨

手取り金額はどのくらい?税金はかかるのか?

B型事業所では、利用者が受け取る工賃は基本的に税金がかからないため、手取り=工賃と考えて問題ありません。ただし、一定の収入を超えると住民税や所得税の課税対象になる可能性があるため、注意が必要です。


B型事業所の工賃はほぼ非課税

B型事業所の工賃は「給料」ではなく、「作業の対価」として支払われるものです。そのため、一般的な労働とは異なり、多くのケースで非課税になります。

確定申告が不要なケース
年間103万円以下の工賃収入
→ 確定申告の必要なし

月額8.5万円以下の工賃
→ 住民税も発生しない可能性が高い

税金がかからない理由
B型事業所の利用者は、一般的に「給与所得者」ではなく、「作業の報酬を受け取る立場」なので、工賃には源泉徴収が発生しません。また、雇用契約を結ばないため、所得税や住民税の対象外になることが多いです。

そのため、多くの利用者は税金を引かれることなく、受け取った金額がそのまま手取り額になります。


年額103万円を超えた場合の注意点

通常、B型事業所の工賃はそこまで高額にはなりませんが、月額8.5万円以上を継続して受け取った場合、年間収入が103万円を超えるため、住民税や所得税が発生する可能性があります。

年103万円以上の工賃を受け取ると…
所得税がかかる(課税対象になる)
住民税の納税義務が発生する
扶養控除の対象外になる可能性がある

具体的には、親の扶養に入っている人が年間103万円を超える工賃を得ると、扶養控除から外れてしまい、世帯全体の税負担が増えることがあります。

収入調整をするべきケースとは?

  • 親の扶養に入っていて、扶養から外れたくない場合
  • 年間103万円を超えそうなときに住民税や所得税を払いたくない場合

このようなケースでは、工賃が一定額を超えないように、事業所の職員と相談しながら通所日数や作業時間を調整することも一つの方法です。


住民税が発生する基準

住民税の課税基準は自治体によって異なりますが、多くの地域で年間35万円以上の所得があると住民税の課税対象になります。

住民税がかかる収入の目安

  • 工賃収入が年間35万円以下 → 住民税はかからない
  • 工賃収入が年間35万円以上 → 住民税が発生する可能性

また、所得税については、給与所得控除が適用されないため、年間48万円以上の所得があると課税対象になる可能性があります。

所得税がかかる収入の目安

  • 工賃収入が年間48万円以下 → 所得税はかからない
  • 工賃収入が年間48万円以上 → 所得税が発生する可能性

このように、年間収入が103万円以下でも、35万円~48万円の間で住民税が発生する可能性があるため、注意が必要です。


B型事業所の工賃は基本的に非課税で、年間103万円以下であれば確定申告の必要もありません。そのため、多くの利用者は税金を引かれることなく、工賃をそのまま手取りとして受け取ることができます✨

ただし、月額8.5万円以上の工賃を継続して受け取ると、住民税や所得税の課税対象になる可能性があるため注意が必要です。もし収入が103万円を超えそうな場合は、扶養控除や税金負担を考慮しながら、事業所の職員と相談して収入調整をするのも一つの選択肢です

工賃を上げるための工夫

B型事業所の工賃は一般的に低めですが、いくつかの工夫をすれば今より多くの工賃を受け取ることも可能です。特に、作業時間を増やす・高単価の仕事を選ぶ・効率を上げるといったポイントを意識すると、着実に工賃アップが目指せます


作業時間を増やすことで工賃アップ

通所回数を増やす
B型事業所では「通った日数」や「作業した時間」に応じて工賃が支払われる仕組みのところが多いため、通所回数を増やすだけで総額は上がります

例えば、週2回(8日/月)しか通所していなかった人が、週4回(16日/月)に増やせば単純に工賃も2倍になります。

✅ こんな人は工賃アップが狙える!
✔ 現在の通所回数が少ない(週1~2回など)
✔ 体調が安定してきて、通所を増やせそう
✔ 短時間通所から長時間通所に変更できる

フルタイム通所に切り替える
事業所によっては、短時間(2~3時間)の利用も可能ですが、フルタイム(5~6時間以上)通所できると、もらえる工賃も増えます

施設ごとの違いをチェック

  • 「1日◯時間作業すれば工賃◯円」
  • 「出来高制で、作業量が多いほど工賃アップ」

こうした施設ごとの工賃制度を確認して、より多くの作業時間を確保することが工賃アップの第一歩になります✨


高単価の作業を行う施設を選ぶ

施設ごとに作業単価が違う
B型事業所では、施設によって作業内容が異なり、単価の高い仕事を提供しているところほど工賃も高くなる傾向があります。

単価が低い作業(工賃が安め)

  • 内職系(シール貼り・袋詰め・封入作業など)
  • 簡単な軽作業(検品・組み立てなど)

単価が高い作業(工賃が高め)

  • Web制作・デザイン・プログラミング
  • ライティング・動画編集・広告運用
  • カフェ運営・農業・クリーニング業務

例えば、一般的なB型事業所の工賃が月額1万5,000円程度でも、クリエイティブ系の事業所では月3万円以上、場合によっては5万円以上の工賃を支払っているケースもあります

高単価の作業を扱う事業所を選ぶコツ
見学時に「工賃の平均額」を確認する
「どんな作業をしているか?」をチェックする
施設外就労があるかどうかもポイント


工賃アップのためにできること

作業の効率を上げる
工賃が「出来高制(作業した分だけ支払われる)」の事業所では、作業スピードを上げることで収入アップが狙えます

例えば、1時間に10個作っていたものを、20個作れるようになれば、それだけ工賃も増える仕組みになっています

施設外就労のある事業所を探す
「施設外就労」とは、企業などの外部で仕事をするスタイルのB型事業所です。一般企業と契約して仕事を受けているため、施設内作業よりも工賃が高い傾向にあります。

B型事業所の工賃は、選ぶ施設や働き方次第で大きく変わります。少しでも工賃を上げたいと考えているなら、今の作業内容や通所頻度を見直して、できることから工夫してみるのがおすすめです✨

B型事業所の工賃に関するよくある誤解

B型事業所を選ぶ際、「工賃の高さ」だけを基準にするのは危険です。確かに工賃が高い施設は魅力的ですが、工賃が高い=良い施設とは限らないため、他の要素もしっかりチェックする必要があります


「工賃が高い=良い施設」とは限らない

工賃が高い施設は、作業のハードルも高い
B型事業所の工賃は、施設の運営方針や業務内容によって大きく異なります。工賃が高い施設では、以下のような傾向が見られます。

作業が難しく、生産性を求められる
利用者に一定のスキルや体力が求められる
支援よりも仕事が重視されるケースもある

例えば、Web制作・デザイン・プログラミングなどのクリエイティブ系業務を扱う施設では、高い工賃が支払われることが多いです。しかし、その分「専門的なスキルが必要」「作業スピードが求められる」など、利用者にとってハードルが高くなることがあります

こんな人は要注意!
「マイペースでゆっくり作業したい」「長時間の作業は難しい」人にとっては、工賃が低くても無理なく通える施設のほうが適している場合があります。


工賃の低い施設は悪質なのか?

工賃が低い=悪質ではない
工賃の低い施設が「利用者を搾取している」「運営が悪い」と思われがちですが、これは誤解です。B型事業所の工賃は、仕事内容・地域性・施設の方針など、さまざまな要素によって決まります。

仕事内容の違い

  • 低い工賃の施設 → シール貼り・封入作業・軽作業など、単価が安い業務
  • 高い工賃の施設 → 飲食業・農業・Web制作など、売上が高くなる業務

例えば、シール貼りや袋詰めの作業は単価が低いため、どうしても工賃が上がりにくくなります。一方、カフェ運営や農業などの施設は売上が高くなりやすいため、工賃も高めになる傾向があります。

地域ごとの違い
厚生労働省のデータによると、都道府県ごとに工賃の平均額には大きな差があります。都市部の施設は家賃や人件費が高くなりがちで、地方の施設はコストを抑えやすいため、同じ仕事内容でも工賃に違いが出ることもあります

こんなポイントをチェック!
見学時には、以下の点を確認して、工賃だけでなく「支援の手厚さ」や「雰囲気」も判断材料にするのが大切です。

作業内容は自分に合っているか?
無理なく続けられる環境か?
職員のサポートはしっかりしているか?
利用者の雰囲気は自分に合っているか?

工賃だけにとらわれず、自分に合った施設を選ぶことが重要です。無理なく通えて、しっかり支援を受けられる施設を選びましょう✨

B型事業所を選ぶ際のチェックポイント

B型事業所を選ぶときは、「工賃の高さ」だけでなく「自分に合った環境かどうか」も考えることが大切です。見学時にしっかり確認して、安心して通える施設を選びましょう


見学時に確認すべきポイント

事前に施設のホームページや口コミをチェックしておくのも重要ですが、実際に見学してみないとわからないことも多いです。見学時には、次のポイントを意識してみましょう

作業内容が自分に合っているか?
施設ごとに作業内容が異なるため、自分のスキルや体調に合った作業を選ぶことが大切です。以下のような違いがあります

  • 軽作業中心の施設(封入作業・シール貼り・箱詰め など)
  • 飲食関連の施設(カフェ運営・弁当製造 など)
  • クリエイティブ系の施設(Web制作・デザイン など)

「どんな作業なら続けられそうか?」を意識しながら見学すると、より自分に合った施設を選べます

通いやすい立地か?
B型事業所は毎日通う必要はありませんが、それでも定期的に通うことになるためアクセスの良さは重要です。

確認すべきポイント

  • 自宅から無理なく通える距離か?
  • 最寄り駅・バス停から徒歩何分?
  • 送迎サービスがあるか?

「通うだけで疲れてしまう」と感じるような場所だと、長く続けるのが大変になるので要注意です

職員の対応が丁寧か?
職員の対応は、施設の雰囲気や支援の質を知るための重要なポイントです。次のような点を見ておきましょう

  • 話しやすい雰囲気があるか?
  • 利用者への対応が丁寧か?
  • 無理に通所を勧めてこないか?

見学時に**「質問しやすいかどうか」**も確認すると、安心して通える施設か判断しやすいです

交通費・昼食補助があるか?
B型事業所によっては、交通費補助や昼食無料提供などのサポートがあることもあります

補助の有無を確認するポイント

  • 交通費の補助はあるか?(上限や条件は?)
  • 昼食が無料で提供されるか?(全員対象か?)
  • 施設で飲み物や軽食を用意してくれるか?

補助が充実している施設を選ぶと、経済的な負担を減らすことができます


高い工賃を求めるなら施設外就労ができるか確認

施設外就労とは?
B型事業所によっては、**施設の外で企業と連携して働く「施設外就労」**を提供しているところもあります。

施設外就労の特徴
✅ 一般の職場に近い環境で働ける
✅ 通常のB型事業所よりも高い工賃がもらえることが多い
✅ 就職につながるチャンスも増える

施設外就労を提供している事業所は工賃が高くなる傾向があるため、見学時に「施設外就労の有無」を確認するのもおすすめです

こんな人に向いている!
「ゆくゆくは一般就労を目指したい」「少しでも高い工賃がほしい」という人は、施設外就労がある事業所を選ぶと良いでしょう✨


「なんとなく」で施設を選ぶのではなく、実際に見学して、自分に合う環境かどうかを確認することが大切です✨

見学は無料なので、気になる施設をいくつか見学して比較するのがおすすめです✨

まとめ

B型事業所の工賃は、全国平均で月額1万7,000円・時給243円と低めですが、施設ごとに大きな違いがあることがわかりました

高い工賃を得るには、「どの施設を選ぶか」が重要です。特に、仕事内容や支援内容、施設の方針によって工賃は変わるため、しっかり比較して決めることが大切です✨


工賃を重視するなら

Web制作・デザイン・広告運用などのIT系の作業を扱っている施設を選ぶ
カフェ・クリーニング・農業系の仕事がある事業所を探す
施設外就労を実施している事業所をチェックする


施設選びで重要なポイント

作業内容が自分に合っているか?
‍♂️ 通いやすい立地か?
職員の対応が丁寧で信頼できるか?
交通費・昼食補助があるか?


「ただお金を稼ぐため」ではなく、自分に合った環境で無理なく働ける施設を選ぶことが大切です。
無理なく通えて、自分のペースで働ける場所を探してみましょう✨

施設見学は無料なので、いくつかの事業所を比較しながら、自分にピッタリの場所を見つけてくださいね✨

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